「小1の壁」がきっかけで、接客業の正社員退職を考える

仕事

 「小1の壁」は、今後の自分の働き方を真剣に考えるきっかけになりました。

 時短正社員で登録販売者として勤めていたドラッグストアを、退職する方向で考えています。

 もともとは、小学校入学後も夫と協力し、正社員を続けられる見込みでした。

 しかし会社の方針の変化・家庭の事情により厳しい状態になり、色々悩んだ結果、自分の本心が見えてきました。

 考えを整理するためにも、文章にまとめてみます。

引っ越しにより、実家のサポートは頼めなくなる

 子供の病気時のサポートがないとうのは、人手不足の接客業の正社員にとっては致命的だと思います。

 ドラッグストアは正規の登録登録販売者が一人いなければ店を開けられないのですから、当日の朝に出勤するのが自分だけだった場合、急に子供が熱を出した・・・とわかったら対応が間に合わないかもしれないという不安もありました。

 ファミリーサポートは病児は見てくれませんし、病児保育も必ず使える保証はありません。
 病児保育に行かせるにしても、必ず医者に連れて行く必要があるので、どうしても一日は休まなければなりません。

 正社員としての責任感と、自分がそれを果たせないだろう事のギャップに悩みました。

接客業のため土日祝日、GW、お盆、年末年始を全て休むのは不可能 

 当然ですが、接客業で土日祝日、GW、お盆、年末年始が休みのところなんてありません。

 学童がお休みの日をどうしたらいいのか。

 希望休を取るにしても、明らかに忙しいとわかる日に、しかも連続して取ることはさすがに無理です。
 最初は夫と協力して休みをずらすなど考えておりましたが、事情により難しくなり、その事が転職を現実的に考える一番のきっかけになりました。

子育てが一段落しても、常に人手不足・長時間勤務のドラッグストアの正社員として、定年まで働き続けられる気がしない

 私は、「働きやすいドラッグストアはないものか?」と、「Open Work」というサイトに登録しました。こちらのサイトでは自分の会社の口コミを投稿すると、特典として様々な企業の口コミを見ることができます。

 結果として、自分の住んでいる地域のどのドラッグストアでも人手不足が慢性化しており、以下のような状態になっているとわかりました。
 ・パートさんやアルバイトの方の急な欠勤は、基本的に社員が埋める。早番だったのが一日通し勤務になることも。
 ・会社によっては休日出勤しなければならない場合もある
 ・現場は疲弊しているが、人件費削減のため、人員の補充がない。

 現場で働いている私としても、その通りだと思います。
 社員として、欠員を埋めなければならないのは理解できますが、常に人がいない状態で、膨大な量の作業の指示があり、推奨販売品を売れとプレッシャーをかけられ、品出しは力仕事、なおかつお客様対応は丁寧に・・・と言われても、ついていけません。
 常に作業に追われ、ノルマに追われ、精神的にも体力的にも、フルで働いている正社員の方はとても苦しい状況だと思います。

 私も子供がいない時はフルタイムで何とかやれていましたが、人手不足は悪化していくばかりで、子供がいてはとても体が持たない・・・と考えるようになりました。

 今、頑張って正社員として働き続けたとしても、この状態がずっと続くのかと思うと、もう耐えられそうにない。後から、やっぱりやめておけばよかったと後悔するかもしれない。

 少しでも若いうちに、別の選択肢を探したほうがいいのではと思いました。

店舗ノルマ達成のため、お客様への声かけが必須。毎日苦手な事をするのがつらい

 ノルマ達成のための営業活動(お客様へのお声がけ)が得意か苦手かは、それぞれの性格もあると思います。
 私には、全く向いていませんでした。

 昇級や賞与もほぼ店舗の売り上げ目標が達成できたかによって決められるため、私の給料はほとんど上がっておりません。

 上司に「お声がけして下さい」「頑張っていきましょう」と言われても、どうしても気後れしてしまって積極的にできないのです。

 逆に、POPの作成や商品の棚替えなど、作業的なものは速くできるほうなのですが、全く評価には関係ありません・・・。

 特に出世したいという野心のあるタイプでもないため、「毎日結果を出さなければならない」というのが、昔からずっと負担でした。

この状態になったのは若い時に自分の人生を真剣に考えなかったから

 接客が苦手な私が、なぜドラッグストアの店員になったのかというと、たまたまです。

 新卒で就職に失敗した際に、母親が「ここはどう?」と勧めてきたのがきっかけでした。

 当時は事務職を目指していたのですが、まだ将来のことも真剣に考えていなかったので、「家から近いし、ドラッグストアって面白そうだな」くらいの軽い気持ちで応募しました。

 新入社員ですから、最初は仕事を覚えるべく頑張り、推奨販売するべき商品を教えられれば、「頑張って売らないと」と思っておりました。

 けれども時間が経つにつれて、会社が推奨販売品のノルマに関してどんどん厳しくなり、20代の中頃に「辞めたい・・・」と思うことが増えました。

 しかし、そのときは独身で、夜遅くまで働いていても特に問題ありませんでした。

 転職活動をするというのを億劫に感じ、そのままズルズル続けてしまったのです。

「今、育児との両立に悩むとわかっていたら、あの時に決断して、結婚出産しても働きやすい会社に転職していればよかった」

 そんな事を思っても、後の祭りです。選んだのは自分ですから。

 ですので、今、自分の心が「辞めたい」と思っているから、それに従ってみようと思いました。

 きっと、辞めても辞めなくても、必ず何らかの後悔はあるでしょう。

 けれども、「しなかった後悔」を一度しているので、「やってした後悔」ならば、納得して受け入れられるような気がするのです。

まとめ 育児との両立で退職を考えるにあたって

 十年以上ずっと続けており、慣れてもいた正社員の仕事を退職することは、とても不安なものです。

 私の場合は引っ越ししてから次の仕事を探すことになるため、「子育て中で、すぐに次が見つかるか」「もう正社員にはなれないのではないか」「生活はちゃんとできるのか」「老後の資金は大丈夫か」・・・考え始めると、きりがありませんでした。

 けれども、「もう、この会社では働けないだろう」と感じた時に思ったのです。

「今が、きっと動くべき時なのだ」と。

 これまでの私の人生は、周りに流されてばかりでした。

 自分が「こうだ!」と思っても、周りに「それはおかしい」「やめた方がいい」と言われれば、すぐに心が揺れてしまうような人間だったのです。

 そうやって自分の選択に自信が持てず、他人の顔色を伺って生きてきた結果、今の自分が幸せだと言えるかといえば、そうではありませんでした。
 幸せになりたくて子供を産んだはずなのに、子供がいることで思うように働けずに悩む。
 そんな風に考えながら生きたかったわけではなかったはずなのに、気がつけばそうなってしまいました。

「私は、自分が幸せになりたいから、仕事を辞めるのだ」
「それで後悔しても、その時はまた別の方法を考えよう」

 遅すぎたのかもしれませんが、年を取って色々な経験を積めたからでしょうか。
 やっと、こんな風に考えられるようになりました。

 他にこれといった資格のない私が、どのような働き方を選択するのか。どんな選択肢があるのかは、まだ検討中です。

 しかし、今度こそ「行動しなかった事」に対する後悔をしないために、納得のいく働き方を家族で考えていきたいと思っています。

 

 

 

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