登録販売者は、育児中でも働きやすいのか?

仕事

 出産後の仕事復帰や、育児中で転職への足がかりとして、医薬品登録販売者に興味を持たれている方もいらっしゃると思います。
 よく、資格サイトなどでは「育児中でも資格があれば働きやすい!」「一生有効の資格!」などと見かけますが、「本当かな?」と疑問に思われる方に向けて、現職の立場でリアルな情報を発信できたらと思います。

 私は、某ドラッグストアの正社員として中途入社し、現在は出産を経て時短正社員として働いております。
 登録販売者としての勤務期間は、14年ほどになります。

結論 子供が小さいうちは、見てくれる環境がなければ働きにくい   働くのなら、人数が多い大型店の方がおすすめ

 ※経験に基づく個人的な見解です
 現在、小売業では人手不足が深刻化しておりますが、ドラッグストアでもそれは顕著です。
 様々なドラッグストアの口コミ等を見ていると、どの企業でも人手不足問題を抱えているようです。
 私の勤めておりますドラッグストアはそれほど大きい店舗ではなく、人数は常にギリギリ、お昼休憩を回している間は店に出ている店員が一人・・・という事も珍しくありません。

 仕事をしていれば、子供の急な体調不良や、自身が病気になってしまうこともあるでしょう。
 ですが、もともとが人手不足の状態なので、とても気軽に休めるような環境ではありません。
 もちろん休めないわけではありませんが、仮に朝の時間を二人で回している店舗の場合、朝から出勤予定だった自分がお休みになるとしましょう。


その場合・・・
 シフトの穴を埋めるために、遅番の予定だった別の資格者の方が朝から来て、その分の時間を働く事になります。
 正社員の方が出て下さった場合、朝から晩までフルで働くこともあります。9時~22時の店舗であれば、13時間です。体力的にも厳しいです。

 資格者がいなければ店を開けることができないため、どうしても資格者が出なければなりません。
 現場で働いて下さっている方々、正社員やパートさん関係なく、常に人手不足による苦労を共有しておりますので、精神的に休み辛いという意味です。

 私は幸い実家の助けが得られる環境にあるため、子供の病気時でもほぼ休まず出勤できております。
 しかし、それがなければ、何度休んでいたかわかりません。
 現実的にも精神的にも続けられず、退職していたことでしょう。
 実際、育児休業から復帰しても続けられず、退職する社員の方も多くいらっしゃいました。

 以上のことから、子供が小さいうちに登録販売者としての就職を考えており、周りにあまり頼れる方がいない場合は、近所の店舗を比較して頂き、狭小店よりも店員が大勢いる店舗を選ぶのをおすすめ致します。
 店舗にも、自分の精神的にも負担の少ない環境で働けるのが、理想だと思います。
 
 以下、パートとしての就職を考えていらっしゃる方を想定して書かせて頂きます。

登録販売者パートとして働くメリット・デメリット

メリット
 ・資格手当がつく
 ・契約で勤務日や時間を決められる
 ・転勤がない
 ・プレッシャーが少なめ

デメリット
 ・土日祝は休みづらい
 ・コンクール販売などの協力を求められる

メリットについて

 資格があれば、数十円程ですが、資格手当がつきます。
 最初から高めの給料で働けますので、資格を取る意味はあると思います。
 また、小さい子供を育てている方にとって、働く曜日や時間などにどうしても制限があるため、契約で決められた日時に働けるというのは魅力です。
 
 ドラッグストアも最近は増え続けているため、近所の店舗を選ぶことができるのもいいと思います。
 また、接客業であるため、どうしてもお客様対応をする中で、金銭的なミスが発生したりクレームを受けることがあります。
 しかし、基本的にパートさんにそれら全ての対応をお任せすることはなく、正社員が処理することが多いので、精神的負担も少なめかと思います。

デメリットについて

 販売職はどれもそうですが、子育て中の方が一番休みたいと思われる土日祝日は、繁忙日のため休みづらいです。
 最初から契約で土日祝以外のみ勤務とできればいいですが、ほとんどの場合、求人に「土日祝、○日以上勤務できる方」と書かれているはずです。
 この辺りでも、家族や周りの人の協力が必要となってきます。

 ほぼシフト制なので、希望を出せば休むこともできますが、希望休の取得も「月に何日まで」と決められていることが多いでしょう。

 また、販売職ですのでどの企業にも販売を推奨すべき商品があり、定期的にコンクールなどが行われる場合もあります。
 資格を持っている場合、医薬品の紹介を頼まれることも多く、営業的なことが苦手な方には苦痛となるでしょう(私もそうです)。
 逆に、お客様と接することが好きで、販売が得意な方は、やりがいを持って働けると思います。

最初は昼間・短時間からでも、登録販売者として働くことは将来的に役立つ!

 子育て中の場合、夜に勤務できる環境の方は少ないかと思います。
 ですがドラッグストアの場合、営業時間が長いので、遅番で出勤できる方が重宝されます。
 事実、人手不足で「遅番がいてくれたら・・・」という声を聞くたび、時短正社員として勤務している自分は、申し訳ない思いになります。

 それでも実家の助けがあり、数日は遅番できる日もありますが、育児しながら接客業で働くということの大変さ、周りへの負担を実感するたび、落ち込んでしまうこともあります。
 一番望むのは、会社が人手不足を解消してくれ、皆の負担が減ることなのですが・・・難しいですね。

 ですので、不安な方はまず短時間から様子を見ながら働き、研修中から正規の登録販売者となり、子育てが落ち着いたら、本格的にフルタイムで働くことを目指してもいいのかなと思います。

正規の登録販売者になるには(未経験の場合)
 試験に合格し、店舗で販売従事登録というものを済ませてから
・直近5年以内に2年以上かつ通算1920時間の実務経験
・直近5年以内に1年以上かつ通算1920時間の実務経験に加え、指定の追加的研修を受ける
 以上の、どちらかを満たす必要があります。

 正規の登録販売者になれば、店舗に資格者が自分だけでも医薬品の販売ができるため重宝されますし、もし転職する場合も有利になります。
 ある程度、育児が落ち着いたら、閉店まででなくとも夕方までの勤務が可能になるだけで現場としては大変有り難いです。

 パートでも社会保険に加入できますし、将来を見据えて資格をとっておく、というのも全然ありだと思います。
 企業によっては契約社員・正社員への道もあると思いますので、キャリアアップを目指したい場合、経験を積むことは決して無駄ではありません。

まとめ


 同じ育児中といっても、家庭環境は千差万別のため、できる事、できない事があり悩みはそれぞれだと思います。
 これから登録販売者として働いてみたい、とお考えの方に、いざ就職してから大変な思いをして欲しくないなと思ったので、こちらの記事を書かせて頂きました。

 あくまで個人の経験に基づく話ですので、頭の片隅にでも入れていただければ幸いです。
 

 

 

 


 


 


 
 

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